コンネリシャス王国の  恋物語

自分たちの愚かな行為で迷惑をかけたのに丁重にもてなしてくれるコンネリシェス王国の人達の優しさに涙を流す人もいた。

デマンド王子はルルが王子妃とは知らず両手を握って感謝してくれた。

たまたま巡回で来ていたジュオン王子に見つかり切られそうになってはいたが…

上層部はユバンナ王国のガリレイ国王が交渉の場にコンネリシェス王国へ来訪することを条件とした。

そこで平和的に話し合われるのだが、戦争の常として敗戦国のユバンナ王国側はコンネリシェス王国側の要望にどこまで応えられるかの問題だ。

とくに第二王子はじめ軍部の上層部がほとんど捕虜として抑えられている状況で自国の要求など言えるはずもない。

ユバンナ王国の国王がコンネリシェス王国の宮殿に着いたのは戦いのあった二週間後だった。

ユバンナ王国の王宮からコンネリシェス王国までは馬車で一週間近くはかかるので、国王としては早い決断だったに違いない。

アスラン国王は交渉に関してはそれぞれ宰相や補佐官に任せてガリレイ国王と親交を持つことに専念した。

コンネリシェス王国内の美しい海や豊かな緑の平地、鉄鉱石を豊富に含む山々を案内したり先代の国王が管理するワイナリーにも連れて行った。

そして夜はルルに料理を作るように言って宮殿ではなく本邸にガリレイ国王を毎晩招待した。

そして、家族みんなで食卓を囲む一家団欒にガリレイ国王も混ざることになったのだ。

ジュオン王子の妃のルルは料理が得意でいつも色んな料理を考えてみんなを楽しませてくれるんだと言って嫁自慢をしたり、リリノア王妃との馴れ初めを聞かせたり相変わらずラブラブの様子を隠そうともしなかった。

カレーライスの日には皆のテンションが上がる。

ガリレイ国王もカレーがすごく気に入ってくれた。

カレー粉やワインにサツマイモのスイートポテトがやはり気に入ったようで、何とか輸入させてもらえないかとアスラン国王に商談していた。

アスラン国王は転んでもただでは起きない素晴らしい商売人だ。