コンネリシャス王国の  恋物語

セレスはおろおろするばかりで

「ルル様、ルル様」

と叫んでルルを抱きしめていた。

救護班の人が、ベッドにルルを寝かせるようにセレスに言ってくれて我に返った。

ルルを失うのではないかと思って何も考えられなくなったのだ。

セレスは急いでルルを抱き上げてベッドに寝かせた。

ルルの顏も蒼白だ。

セレスはルルの眠るベッドのそばに座って見守り続けた。

捕縛された二人は救護班のテントの中に猿ぐつわをされて身動きできないほどにぐるぐる巻きにされて転がされていた。

今前線では戦いの最中だろう、ジュオン王子に知らせるわけにはいかない。

セレスはジュオン王子が来るまでルルを守り少しでも楽な体制になるように気を配った。

自分が命を懸けて守らなければならない大切な人に命を助けられた。

セレスは自分が情けなかった。

ジュオン王子はセレスをルルの護衛騎士から外してしまうだろうか、そうなればもうルルの近くでルルを守れない。

ジュオン王子はもう一人騎士をつけろと言ったのだが、この状況で一人でも戦闘要員がいる、セレスは一人で大丈夫だと大口をたたいてこの始末だ。

ジュオン王子にルルの護衛騎士を外されても文句は言えない。

セレスは覚悟を決めて自分がこの世で一番大切で命を掛けて守るべき愛しいルルを見つめた。