コンネリシャス王国の  恋物語

ルルは自由になったが、相手は三人、後の二人がセレスに切り込んだ。

セレスは二人ぐらいなら負けはしないが、男たちは訓練された強者だった。

ルルはセレスの後ろに回りセレスが戦うのをはらはらしながら見ていた。

急いで猿ぐつわを外した時、ルルが股間を蹴り上げた男が剣を拾って横からセレスに切りかかった。

ルルは大声でセレス右と叫んだがセレスは二人を相手にしていて一瞬の遅れを見せてしまい、脇腹を切られた。

それでも一人を切り捨て怪我をしながらも、気力で戦っていた。

ルルの叫び声を聞いた救護班の者たちが駆けつけてきて、魔法を使えるものは魔法で応戦しルルも水魔法で大量の水を男に浴びせて動きを封じた。

救護班全員で残りの二人を取り押さえて、捕縛した。
 
そこら辺にあったロープやベッドのシーツでぐるぐる巻きにした。

独りはセレスに切られて絶命していた、もう一人も傷を負っていたが、セレスも重症だ。

それでもセレスは二人が取り押さえられるまではしっかりと立っていたが、ついに膝をついて倒れた。

ルルは急いでセレスに駆け寄ると傷に手を当てて治癒魔法を思いっきり注ぎ込んだ。

だんだんと傷もふさがりセレスも意識を取り戻したが、ルルはやめようとしなかった。

あまりに出血が多くて、傷はふさがってもセレスの顔色は蒼白だったのだ。

意識を取り戻したセレスはルルがありったけの魔力を自分に注いでいるのを見て

「だめです。ルル様もう限界です。
やめてください」

と言った。

ルルの瞳の色がとても濃くなっている。

これではすぐに魔力の枯渇を起こしてしまう。

でも、ルルはやめなかった。

魔力が枯渇しても死ぬわけではない。

二~三日寝ていればまた魔力は戻るのだから、今はセレスのけがを治すのが先決だ。

そして、セレスの顏に少し色が戻ったところでルルは意識を失った。