コンネリシャス王国の  恋物語

今日は皆早めに休めと言ってジュオン王子は締めくくった。

兵士達には体を休めてもらわなくてはならない。

ルルは料理長と相談して兵士達の夕食にカレーライスを用意した。

カレーの匂いは元気が出るし食欲がわくのだ、国家騎士団でも近衛騎士団でも魔術師団でも今日はカレーライスだ。

中庭では各団の食堂や王宮の食堂に入り切れない兵士たちが車座になってカレーライスの皿を抱えて楽しそうに食べている。

それを見ながらルルは涙が溢れるのを止めることができなかった。

ジュオン王子が隣りに来てそっと涙を拭ってくれた。

「なんで泣いてるんだ」

「感動したの。私の旦那様があまりにも
素敵でかっこよくて、抱き着いてキスしたい
気持ちを必死にこらえているんだから
こっちにこないで」

そう言うとジュオン王子は大きな声で笑った。

「俺の嫁は世界一可愛いな。さあ、
家に帰って俺にもカレーを食べさせて、
そしてそのあとルルも食べたい」

「またそういう事を言う。
恥ずかしいんだからやめてよ」

二人は笑いながら手を繋いで東の棟の我が家に帰っていった。

明日戦地に赴く悲壮感はだれにもなかった。

皆やってやるぞと言う高揚感に満たされていたのだ。