コンネリシャス王国の  恋物語

兵士たちはそれぞれの上司からユバンナ王国の現在地や自分の班の役割などの説明を受けている。

コンネリシェス王国の兵士は退団した元騎士達にも声がかけられて、今現在三百名あまり対するユバンナ王国の軍勢は千を超える。

数では絶対的に不利なのだ、おまけにトピアーズ共和国の加勢は期待できない。

でも、国王もジュオン王子も絶対的な自信を持っている。

それが兵士たちに伝わって士気があがっている。

国王とジュオン王子は、上に立つリーダーとしての求心力が素晴らしい。

ルルは誇らしい気持ちで救護班で食事を用意しながら、王宮の中庭に集まる兵士たちの前に立ち堂々と話をするジュオン王子を見つめていた。

ルルに気付いたジュオン王子がルルにふっと微笑んでくれた。

ルルもジュオン王子ににっこりと笑って、中庭に向けて浄化と癒しの魔法を放った。

日が暮れようとしている茜色の空に、キラキラと星くずの様に白い光が兵士達の上に降り注いだ。

周りにいた人たちはみんなその光景に見惚れていた。

「私の最愛の妻が皆に祝福と癒しの
魔法をくれた。
これでこの戦いは我々コンネリシェス王国の
勝利に間違いなしだ。
みんな自信をもって家族の為、愛する人の為
コンネリシェス王国の為に戦おう」

中庭の兵士達は雄叫び挙げた。

王宮の中の人達までもが鬨の声を挙げた。

王宮が燃えあがるような精気で満たされていった。

ルルは心が熱くて喉に何かが詰まるような感動を覚え体が震えた。

きっと勝てる。大丈夫。

ここにいる誰もがそう思ったに違いない。