コンネリシャス王国の  恋物語

それでもアリレア王女は納得しないらしく直接ジュオン王子と話がしたいと言って、何の前触れもなく突然に侍女や護衛騎士総勢十五名程を引き連れてやってきた。

ユバンナ王国が進軍しようとしているときに王女の相手をしている暇はない。

一刻も早く帰ってもらえと言うジュオン王子の意思を伝えてもアリレア王女は泣き落としで上層部に迫っているらしい。

ジュオン王子はユバンナ王国の対応で忙しく王女と謁見している暇はないと無碍にされてもそれではお時間ができるまでお待ちしますという厚顔無恥な態度なのだ。

ジュオン王子はルルに王女と接触する必要はないので放っておけと言っている。

東の棟には行けないように騎士を置くことになり紛争になれば一人でも騎士が欲しい処なのに余分な事に力を分散させたくはない。

最終的にはトピアーズ共和国に苦情を申し入れて強制的に帰ってもらうことになった。

では三日後に帰国すると言った王女一行にほっとしていると三日経っても帰るそぶりもない。

これには国王までもが呆れて王女に親書を渡し、即刻の帰国を命令することになったのだが、親書が王女の手に渡る前に事態は急転した。

ユバンナ王国軍がトピアーズ共和国内を堂々と通ってコンネリシェス王国に向けて進軍してきたとの一報がもたらされたのだ。

トピアーズ共和国は何の抵抗もせずにユバンナ王国軍を領地に入れて進軍を許したことになる。

友好条約の違反である。

王女の待遇はこれで敵国の捕虜となり侍女や護衛騎士達ともども西の棟の最奥の塔に閉じ込められた。王女には人質としての価値も無いようで王女の祖国の瞠目的な判断だ。

我儘な王女は祖国に切り捨てられたのだ。

西の最奥の塔で王女は茫然自失といった体であるらしい。