コンネリシャス王国の  恋物語

ルルは早速念願だったカレー粉作りに取り掛かったこのカレー粉が完成すればきっとコンネリシェス王国の郷土料理になるとルルは思っている。

前世でもカレーライスは日本だけの料理だったはずで、カレー粉の原産国ではそういう食べ方はしていなかったという認識があった。

コンネリシェス王国ではお米も栽培している。

小麦の栽培量に比べると少ないがお米を食べることに違和感はないようだ。

でも白いご飯を食べるというよりパエリアの様に魚介類と一緒に炊く料理のほうが一般的だ。

ルルはパエリアに入れるターメリックやサフランで黄色の色を付けて、思いつく限りのハーブや香辛料を粉にして混ぜ合わせて試行錯誤を繰り返してついにカレー粉を作り出した。

その過程でジュオン王子は味見役を買って出てくれたので何度も色々なカレーに挑戦してくれた。

そしてカレーライスはジュオン王子の大好物になったのだ。

また、カレーの辛さを調節できるのも面白いし、その匂いは強烈に人々の食欲をそそる。

カレーを作ると王宮の中枢部まで美味しそうな匂いが漂いジュオン王子は今日の夕食はカレーだとわかるので早く帰ってきてくれる。

ペレル家の土曜日の定例の食事会で初めてカレーを出した時には皆その匂いにつられて呼びに行かなくても集まってきた。

ペレル家でもベッテイーネ家でもカレーは大評判で付け合わせの甘い福神漬けもどきも大いに気に入られた。

そしてカレー粉は大人用の少し辛いものと子ども用の甘いものの二種類のレシピを完成させたルルはまず孤児院のバザーにカレーライスを出した。

そこから街のレストランに試験的に置いてもらったりして、カレーライスと言う物を認知させていった。

それが家で簡単にできる料理として普及するのに時間はかからなかった。

ガラドアド国からの香辛料の正式な輸入も決まりカレールーはペレル家の産業の一つとなっていった。