コンネリシャス王国の  恋物語

そしてジュオン王子が言っていたようにこの一件で相手側は交渉に口をはさむ余地をなくしてしまった。

ただ、自国の王子の無礼を謝るしかなかったからだ。

それ以降の交渉にはジュオン王子は二度と顔を出さなかった。

それが一番相手側には応えたようだ。

そしてスイートポテトのレシピをもらうと言う事でサツマイモもその項目に入っていた。

第二王子がそれだけはどうしてもと譲らなかったそうだ。

でもサツマイモはコンネリシェス王国では栽培していないのでどうするのかと思っていたら、バンアロア国から大量に仕入れてそれを相手国に流すらしい。

そしてその内コンネリシェス王国でもサツマイモの栽培も始めるらしい。

サツマイモは収穫時期が限られるけれど栽培方法はむつかしくなくて、バンアロア国では家庭菜園でもよく作られている。素人にも育てられるイモ類だ。

実際ルルは今王宮の裏のベジタブルガーデンの一角を借りてサツマイモを栽培している。

まだ収穫はできないけれど自分の作ったサツマイモでみんなに料理を振舞うのを楽しみにしているのだ。レシピならいくらでも思い付く。

ガラドラドの第二王子からは丁寧なお詫びの手紙をもらったのでジュオン王子も今回は矛を収めた。

コンネリシェス王国に有利に条約は結べたようでそれから三日後ガラドラド国の使節団は帰っていった。

ルルは和解の印にスイートポテトをたくさん作って第二王子に渡してもらった。

王子は大事そうにそのバスケットを抱えて自分で持って帰ったらしい。

半分以上は一人で食べたと聞いて、みんな呆れていた。

そこまで気に入ってもらってルルは嬉しかった。

そして香辛料に関してはお詫びにとびっくりするくらい大量に送ってきてくれた。