コンネリシャス王国の  恋物語

それから程なくしてジュオン王子も帰ってきてくれた。

「ルル、びっくりしただろう。大丈夫か」

と言って侍女やセレスがいるにも拘らずルルを抱きしめて、ソファーに座ってルルを膝の上に座らせ離さないと言う様にぎゅっと抱きしめた。

セレスや侍女たちは気を聞かせて出て行ってくれたが、ルルは恥ずかしくてジュオン王子の胸に顔をうずめていた。

その様子があまりに可愛くてジュオン王子は悶絶寸前だった。

「あのくそ王子俺の可愛いルルを
抱きしめるなんて許せない。
妻にと望むなんて万死に値する」

「ジュオン、もう大丈夫よ。
それより通産条約のほうはどうなったの?
せっかく大臣が一生懸命交渉されていて
有利に進んでいるとおっしゃっていたのに、
台無しにしてしまったのではないかと
心配だわ」

「そんな事ルルが心配する必要はない。
悪いのはあのくそ王子なんだから、
この事を利用してもっと優位に進めるさ。
うちの通商大臣は狡猾なんだよ」