コンネリシャス王国の  恋物語

コンネリシェス王国の周りの国はおおむね友好的だけれど内陸に面する高くそびえる山の反対に位置するユバンナ国はこの所きな臭い。

ユバンナ国は山に囲まれた国で海に面する部分が全くない。

国土の多くが海に面して土壌も豊かで産業も多く、国民の幸せ指数が高いコンネリシェス王国を狙っているようだ。

父親の仕事柄そんな情報も家族にはもたらされる。

兄のフェイレアも騎士として今は近衛騎士団にいるので王宮や王族の護衛が主だが戦争が始まれば、戦地にも行くだろう。

何百年も平和だった国なので危機意識が低い。それを父親は心配している。

第一王子もまだ高等科三年生だが、早くも騎士団に所属している。

王家や元老院は危機感をもって対処しているらしい。

そんな状況ではあるが、ルルは高等科一年生の学生生活を楽しんでいた。

今日は初めての魔法学のクラスがある。

チリルは魔法学なんてとんでもないと言っていた。

母の言う通り魔法学のクラスに女の子はルルともう一人サリーという子がいるだけだ。

魔法が使えるのはほんの一握りで遺伝が最も多いと聞く。

ルルの先祖にも魔法が使える人が居たらしい。

祖母のカメリアが覚えていて確か三代前のその時代は貴族制度があったので男爵だったと思うと言っていた。かなりの使い手だったと祖母は話してくれた。

だから多分ルルも遺伝だったのだろう。

どこまで話せばいいのかわからないが今日は魔法属性や魔力測定もあるらしい。

魔法学を取ると言うことはそういう素養があると思われるのでまず最初にその辺をチェックするらしい。

これからは家族だけの秘密にはできないという事だ。