コンネリシャス王国の  恋物語

ルルと始めて会ったのはルルが生まれてすぐの頃、病院に母上に連れられてお見舞いに行った時だ。

小さな小さな赤ちゃんは大きな目をぱっちり開けてじーっとジュオンを見つめていた。

そしてパーっと花が咲いたように笑ったのだ。

ジュオンは思わず手を伸ばして指で頬に触ったら、その指をつかんで自分の口に持っていってチューチューと吸い始めたのだ。

ジュオンはくすぐったくてあったかくて胸に何とも言いようのない思いが沸きあがってきたのをはっきりと覚えている。

たった2歳のジュオンだったがこの子を大切にしなければいけないと思ったのだった。

初めて赤ん坊を見たジュオンにとっては衝撃的な出来事だった。

その一年後に妹のイリスが生まれたがその時の感動には及ばなかった。

思えばそれから俺はルルしか見えていなかったのだと納得した。

どんな美女に言い寄られても夜会やパーテイで騒がれても、ほかの女には興味もわかなかったし、多分顔もよく覚えていない。

ベッテイーネ家とは母上とルルの母親が親友だったこともありよく一緒にいる機会があったので、必然的に子供たちはみんな仲が良かった。

ルルの兄のフェイレアのシスコンが激しすぎて辟易していた時もあるがお陰でルルに、男が寄ってきても殆どすべてフェイレアに排除されていた。

フェイレアはルルを守る為に騎士として剣の腕を上げて行ったのだ。