コンネリシャス王国の  恋物語

そして母のテイアムのデザインは最高にルルに似合って素敵なものになった。

背が高いルルに合うようにボリュームを抑えたマーメイドラインのドレスは大人っぽくてルルのプラチナブロンドの髪に白いドレスが映えている。

長いトレーンは腰部分に取り付けられて後ろで大きなリボンで結ばれている。

トレーンを外せばドレスとしても着られる。

ハイネックの肩だしノースリーブはジュオン王子に却下されてしまったので袖の部分は、オーガンジーの透ける素材の布地が使われている。

それでもジュオン王子は渋い顔をしていたが、ルルとテイアムで押し切ったのだ。

ハイネックの部分と袖のカフスの部分にはビーズでびっしりと刺繍がされている。

ドレスは随一それが華やかな部分で、あとはとてもシンプルなデザインなのである。

ベールが華やかなのでドレス部分はシンプルにしようとテイアムが判断した。

プラチナブロンドのルルの髪は耳を隠すくらいにサイドに流されて首の後ろでふわっとまとめられている。

アクセサリーも耳元で揺れる真珠のイヤリングだけで、モーブピンクのバラのブーケが色を添えている。

とても控えめで美しいと参加者からも評判がよかった。

ルルは父親にエスコートされて長い通路をゆっくりとジュオン王子の待つ祭壇に向かって歩いて行った。

ルルの父親からルルを託されたジュオン王子は、満面の笑みでその手を取った。

そしてルルの耳元で”ルル最高に綺麗だ。世界で一番の俺の花嫁”と呟いた。

神父様の言葉の後二人で誓いの言葉を紡ぎジュオン王子がベールを上げてルルに誓いのキスをすると、教会のステンドガラスが割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。

教会の外でもたくさんの騎士や王宮で働く人たちが集まっていて、二人が外に出るとフラワーシャワーで出迎えてくれた。

その後は王家の家紋入りの馬車で、王都を一周して婚姻を報告した。

最後に王宮の前に集まってくれた人たちにも馬車の中で立ち上がって手を振った。

ジュオン王子はゴールドのボタンや勲章がたくさんついた黒の騎士服に身を包んでいた白いパンツにはサイドにゴールドのラインが入っている。

二人が並んで立つと黒と白のコントラストが、上品でシンプルで美しい。

美男美女の王子と王子妃に国民の皆がため息と祝福をくれる。

その後発売された二人の結婚式の姿絵は飛ぶように売れたそうだ。

ルルの家族はみんな一枚ずつ買っていたしイリスも王妃様もセレスもこっそり買っていたらしい。

もちろん二人には特大の姿絵が送られた。

それは今王宮の玄関ホールの壁に飾られている。

ルルは玄関を通るたびに恥ずかしい思いをしているのだが、ジュオン王子はご満悦らしい。