コンネリシャス王国の  恋物語

そして、そうしてまでもルルの側にいたい気持ちをどうする事も出来ないのだ。

ジュオン王子はルルの母親を無事に家まで送り届けて王宮の近衛騎士団に出仕してから新しい任務を与えられるだろうと言ったが、ルルの件は了承してもらったわけではない。

とにかく、コンネリシェス王国の近衛騎士団に復帰してからの話になる。

セレスは希望を胸にジュオン王子一行の船を見送った。

ジュオンはコンネリシェス王国へ帰る船の中で隣にいるルルを抱きしめながら、セレスの言葉を思い出していた。

ルルは魔法を使いすぎて魔法切れを引き起こしそうになると瞳のグリーンが濃くなると言った。

そういえば、最初にイリスに治癒魔法をかけた時ルルはふらふらになっていた。

イリスの体がぼーっと白く光に包まれるほど治癒魔法を注いだからだ。

ルルの瞳の緑が濃いと思ったが、光の加減だと思っていた。

セレスは気づいたのに、自分は気づけなかったのが悔しい。

ルルの料理やスイーツをいつも食べていたと言われた時には、思わず剣に手を掛けそうになった。

そんな任務を課したのは自分なのに…

そして、星空の下で自分の名前を呟いて涙していたと言うルル。

きっとルルに告白して恋人同士となった魔法学クラスの合宿の星空を思い出していたのだろう。

ルルが愛おしい。

セレスはルルを一生護衛騎士として守りたいと言った。

その瞳に邪な想いは見えなかったが、ジュオン王子はセレスへの返事は保留にしている。