コンネリシャス王国の  恋物語

でも九歳から今まで誰にも教わらなかったが、本を読んだり魔法の使える人の話を聞いたりして、ルルは独学で学んでその範囲を広げていったのだ。

今では怪我は時間をかければ骨折位は直せるし、病気もその人の治癒能力があれば後押しすることができるようにはなったので、回復が早くなる。

それもすべて家族の中での実験だったのだが、頭痛位はすぐに癒せるし、何より祖母の肩こりは毎日ルルが寝る前に肩に手をあてていると、じんわりと温かくなってすっきりするそうだ。

この国の医療はまだあまり進んではいないので、医者は大きな手術とかはできない。

麻酔草が発見されて傷を縫うことは最近できるようになったくらいだ。

薬も薬草を煎じたりすり潰ぶしたりして飲む。

また、この世界は車も飛行機もない。移動手段は馬や馬車で遠くに行くには船に乗らなければならない。

せめて鉄道があればなあと、ルルは常々思っているのだが、小娘の思惑など誰も聞いてはくれないだろう。

それ以外は水道もお風呂も、トイレも水洗で日本と変わらないのだが、服は少し王国風でミニスカートやパンツスタイルはない。

庶民は簡素なコットンワンピースを着ている人が多い。

ブラウスやスカートの組み合わせや上着にコートももちろんあるが、そんなにファッショナブルではない。

王族や華族など地位ある人達やお金持ちの女性達は、外出着やパーテイなどにはシルクの布地でレースがぜいたくに使われているドレスを着ている。

乗馬服はあるので乗馬ズボンはあるけれどそれ以外で女性がズボンをはくことはない。

そしてこの世界には日本は存在しない。