確かにその彼女もなかなかに地雷系だとは思うけど、もう少し大きな心で接してあげてもよいのでは……?
これまで黙って碧葉と黎の会話を聞いていた私だったけど、「はい!」と小さく挙手をして碧葉へと顔を向けた。
「はい、萌葉さん」
「碧葉はもう少し女の子に優しくしたほうがいいとお姉ちゃんは思います」
「俺は聞き分けのいい子にはちゃーんと優しくしてるんで。おねーちゃんは心配しなくても大丈夫です」
「雑に関係終わらせてばっかいると、いつか誰かに刺されちゃうよ?」
「それはさすがに心配しすぎ」
「ほら、碧葉はコロコロ彼女が変わるからいろんな子から恨み買ってそうだもん」
「コロコロ彼氏変えんのは萌葉も同じじゃん」
「うっ……」
「俺はまだ17だからいいけどさ、24の大人がコロコロ男変えんのはどうなの?」
「……」
「はい、俺の勝ち」
思わず痛いところを突かれて、ぐうの音も出なくなってしまった。自分のことを棚に上げて、弟の恋愛事情に首を突っ込んでしまったことに恥じて背中を丸めた。
「と、とりあえず!碧葉は黎を見習って、もう少し女の子に優しくしてください!」
もうこの話は終わりね、と自分から広げた話を畳もうとすると「は〜?」と碧葉は揶揄うような声を上げた。
「黎が女に優しいって本気で言ってる?」


