「おれ、もえとけっこんする!」
「じゃあもえちゃんに好きになってもらえるように頑張らないとだな」
「おれ、もえがすきだよ。それだけじゃだめなの?」
「結婚は好きな人同士でするものだから、もえちゃんも黎のことが大好きじゃないとできないんだよ」
「おれ、がんばる。がんばって、もえにだいすきになってもらう」
にこにこと笑う父さんは「じゃあ1つ、黎にアドバイスな」と人差し指を立てた。
「好きな子の前ではいつも素直でいること。好きだからってわざと意地悪をしたり、悲しませるようなことを言ったらだめだよ。好きな子には優しく、そして黎の気持ちを真っすぐ伝えていれば、きっと同じように好きになってくれるはずだから」
「うん。わかった!」
それからお父さんとお母さんは、結婚は早くても18歳にならないとできないということと、結婚をするともえと名字が同じになることを教えてくれた。
『黎くんの名字ってほんとかっこいいよね~』
『私も獅子堂って名字になりたいなあ』
もえは会うたびに俺の名字が羨ましいと言っていた。
結婚をすれば、俺はもえとずっと一緒にいられる。もえは俺の名字になれる。―― 2人とも願いが叶う!


