「え~!けっこう離れてるんですね」
若干歯切れ悪くなってしまった私の返答に大きく食いついた女の子は、両手を口元へ持っていき目を見開かせながら声を上げた。
「私たちが今年で18だから……、25歳かぁ」
「……」
「もっと若く見えたんでびっくりです!」
え……、何この子?
高く透き通った細い声と華奢な見た目から、第一印象はふんわりとしたTHE•女の子という感じ。
だけど黎に対する積極的な態度や、腕を振り払われても気にする様子がなく全くめげてないあたり、なかなか強かな子なのかもしれない。
それにこの間も思ったけど、この子、間違いなく黎に好意を持っている。私の話をどこかで聞いて、遠回しに喧嘩を売られているのかも。
こういう裏表のありそうな子、私の周りにいないから接し方が分からないんだけど…。
「そうかな?ありがとう」
ここで変な態度をとるのも大人気ないし、私の方が7歳も歳上だし。当たり障りのない返事と共にさっきよりもにっこりとした笑みをお返しした。
「ねえ、いい加減邪魔なんだけど」
このなんとも言えない空気に割って入ってきたのは、聞き慣れない冷ややかなトーンの声。


