伊藤さんは寝たのかと思いきや、突然声をあげたかと思うと、マイペースにキョロキョロしはじめた。
「何してるんですか」
「き、傷口。大丈夫?――確か、あっちに救急箱が……」
「大丈夫ですよ。お気になさらず」
「じゃあ、着替え――えーと」
「着替え?」
「お風呂場に、バスタオルとか全部あるから」
「……」
本人が善意でしか対応してないのはわかってる。
もちろん、俺に警戒心がないことも。
けど、またそうやって、友情の積み重ねをしていくって事?
「私は、このまんま、ここで寝るから。あっちの寝室使って」
冗談じゃない。
