「僕の、上司なので」 「う、あ」 苦手です、と言ったあの時とは違う、本当に困った顔をして伊藤さんは尻餅をついた 「……何よ」 「それでよくもまぁ」 さっきは、笑ってたのに。 「そんな顔で見ないでよ」 「こういう顔ですから」 気まぐれだった。 ドアノブを回すと、外に出る。 扉の外で立ち往生していた水嶋さんと目が合った瞬間、拳が飛んできた。 正直、避けれたけど。 避けなかった。