近づけた顔をひっこめ、部屋の奥を見る。
前回ここに来た時は、玄関しか目に入らなかったから。
「結構広いんですね」
溜まり場にしやすいのか。
「ふ、古いから……家賃のわりに広いんだよ」
「あまりポンポンと男を入れない方がいい――だいたい、貴女千葉さん狙いですよね」
そんな事してるから、恋愛から遠のくんじゃないのか。
「ハジメの話はいいから」
「良くないでしょう?仕事の時の強引さはこういった時には全く反映されないんですね」
「それは全然違うじゃない」
「――ま、別にどうでもいいですが」
この人はもう、時間をかけて友情を積み重ねすぎたんだろうな。
「いいんですか」
「へっ?」
「僕はかまいませんけど、表にいる人。ほったらかしにして」
千葉さんとも、水嶋さんとも。
