「あ、ちょっと待ってください」 ムシャクシャしていた。 それと、伊藤さんの小物感に、つい優位性を覚えてしまったせいもある。 どれだけ眺めても、ちっとも女に見えない。 でも、伊藤さんの腕を掴むと、驚くほど華奢だった。 「なっ、なにっ」 これは、風邪引いてんな。って 単純におでこを重ね合わせて、確認する。 「ちょっ!」 「あ、熱ありますね。体調、良くないんじゃないですか? さっきも赤面してんのかな、って思ってたんですけど」 「ええっ」