切れた、唇の端には血が滲んでいて 「あっ、敦史がやったの?」 「どうでもいいことです」 私をそのままゆっくり中に入れて座らせると、「とりあえず朝まで寝させてもらいます」と言って靴を脱ぐとまた私を抱えあげた。 「ごめ……」 「貴女が謝ることじゃないですから」 「――でも」 「エレベーターの中で、貴女に会った時から。嫌な予感はしていたんですよね」 エレベーター……あ。