敦史にありがとうなんて言うのはこそばゆいけれど、やたらめったらちゃんとしている敦史は、昔からこうだ
慣れていると言えばそれまでだけれどカタコトにしかならない。
私の背後から敦史がフロアにでてきて私の隣に並んだ
鼻先に漂ってきた香ばしい香りにはるか頭上にある敦史の顔と視線を合わせた
「焼鳥!」
「うお、猛烈に今、腹へってきた」
「私も!」
食べることしか考えずに、【権八】と一枚板に彫られた看板の下を二人くぐり抜ける
店内に入ると、エレベーターホールにあった微かな香りが、より濃厚となって煙とともに漂っていた
