両片思いだったのに略奪されて溺愛されました



この期に及んで、早くも後悔。





だって私は、恋がしたいわけでも、彼氏が欲しいわけでもない


ただ、手っ取り早く現実から逃げただけだ




「ね、直美――」


「何さん?」


「……え?」


「俺、尾崎さん」


「へっ……あ、ああ私は――伊藤……です」


「伊藤さんかぁ、今日は宜しくね」




にこりと微笑んだ尾崎さんの顔を見たら

やっぱり帰る、とは言い出せなかった