こうして玄関でそらをあおぐのは、二度め。 といっても一度めは、意識がぼやけていたから天井なんか見る余裕はなかった。 「あー……。坂口め」 ふと、あの日を思い出して、その記憶に絡み付いた坂口君の顔を思い出す。 神経質そうな指先。 ツーブロックの、マッシュルームみたいな頭。 切れ長で意地悪そうな目つき。 わざとらしい、眼鏡。 思い出したら殺意が沸いてきた。