降ろされた私はよろけながら、踏ん張って立つ。 「手は貸しませんよ、もう」 病人相手に坂口君は饒舌に私にあれこれと話しかける。 言葉を聞くことは出来るけれど、頭が完全に熱にやられたのと、助けが来たのとで安堵し私はほとんどその言葉に返答は出来なかった。 やけにうるさい男だな、と。 坂口君の嫌味まじりの言葉は、病院に着いた頃にはおさまっていた。 私より若いくせに、ジジイみたいな奴だ。