熱をもった頭は思った以上にうまくまわらない このまま早退しようとして腕に掛けていたバッグが鉛のように重く感じて、床に滑り落ちた 「落ちましたよ?」 坂口君が拾い上げてくれたバッグを持つ力さえも、もう私にはなかった 「……」 「杏、――大丈……」 「あ、そうだった。伊藤さん、熱があるんでしたよね。後は僕が三浦さんと坂巻さんに話しておきますから、帰っても大丈夫ですよ」