羽織っていたバーバリーのキャメルのトレンチコートを脱ぐと、ハンガーにかけてクロゼットにしまう 手にしていた新作のセリーヌのバッグは昨日のバッグとは違うもの。 毎日バッグの中身を入れ替えるの大変じゃないのかな、といつも関心してしまうほどだ(見習おうとは思わない) 私達のことは気にもかけずに、坂巻さんは椅子を引いて腰かけた 企画室には三浦と私しかいなくて、静まり返った空間には、さっきまでは気にもならなかったラジオの音が妙にはっきりと耳に入ってきた 「――なにかある?」