教科書を探している 桜井を俺はずっと 見ていた。 それを 見ていたんだろうか? ドアの前に立っている 女子が笑う。 俺は、それに気付いて 桜井から目を離す。 バサバサバサーッ・・・・ ロッカーの中の教科書が 一気に落ちていった。 ボソッと 「あちゃーっ・・・・」と 呟く桜井─。 でも落ちた教科書は 無視して必死に 歴史の教科書を 探していた─。 俺は手伝おうかと 思ったけど、思うだけで 行動にうつせなかった。