死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


 ドアを開けると少し大人っぽい服装の星惟がいた。

「星惟!」
「み、美來...!?」

 いつもよりも一層かっこいい星惟に私もドギマギするし、星惟も顔が真っ赤になっている。

 茶々と初に会いに行った時と同じかそれ以上。

 私が可愛いから...?

「い、行こうか」
「うん!」

 どちらからでもなく自然に手を繋ぐ。
 これが、少女漫画で読んだ、理想の手の繋ぎ方、らしい。あと"恋人繋ぎ"というものもあるんだって。

 カバンに入れたノートに、チェックいれないと。

□"キミに恋をした"みたいに自然と手を繋ぐ
□星惟とおでかけする

 一気に2つもチェックがついちゃう...やった...

「なあ、美來...」
「なあに?」
「そのメイク、お母さんにやってもらったのか?」

 私がこんなに上手にできるわけないじゃん。
 できるように、なりたいな。星惟に褒めてもらいたいもん。

□メイクを上手になる

 またノートの目標が増えちゃうね。

「そうだよ!みらいじゃ、出来ないもん」
「可愛すぎるよ、美來」
「...ツ」

 星惟に褒めて貰えた。可愛いって言ってくれた。

 私、嬉しくてたまらない。
 こんな乙女な気持ちを星惟のおかげで毎日感じてはいたけれど、今日は特別、嬉しい。

 外におでかけできたからかな?