死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


 朝、私はお母さんに手伝ってもらいながら、人生で1番と言えるくらい可愛くなろうとしていた。

 お母さんが退院の時のために買ってくれていたワンピースを来て、お母さんにメイクをしてもらう。

「できた!もう、美來可愛すぎる!さすが私の娘」

 お母さんの屈託ない笑顔、久しぶりに見た。
 笑っているお母さんが私は大好き。

「この麦わら帽子を被れば完成!」

 大きな鏡で可愛くなった私と初対面。

「これが...みらい...?」

 さっきまでは4歳くらいの女の子な見た目だったのに、メイクの力で12歳くらいにまでは見える。お母さんすごい...

「光野くん、きっとびっくりするわ」
「うん!」


ピンポーン


 インターホンが鳴り、星惟が来たとわかる。

「じゃあ行ってきます!」
「気をつけてね」
「うん!」

 絶対、人生で1番楽しい日にするんだ!