死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


「それでね、美來ね...」

 夜ご飯を食べている時に、お母さんとお父さんに今日あったことをたくさん話した。
 2人ともニコニコしながら聞いてくれて、話すことがすごく楽しい。

 こんな日々が、ずっと続いたらいいのに。
 家に帰ったら心があったかいお母さんとお父さんがいて、学校では星惟とずっと一緒にいられて。友達もたくさん作って。

 当たり前にできるはずだったのにな。

 私が病気じゃなかったら、こんなこと絶対に思わなかったのに。

「美來、明日は光野くんと向日葵畑行くんだっけ?」
「うん!すごく楽しみなの!」

 退院するまで星惟とはその話ばかりしていた。
 学校よりも、こっちが楽しみだったから。

「そうか。寝坊しないように今日は早く寝ないとな」
「わかった!」

 そうして、私は両親に挟まれながら眠りについた。