模擬文化祭が終わって、帰る準備をして、終礼。
久しぶりの学校はたくさんのことがあった。
「月音さん、また会おうね!」
「インスタやってる?」
「これから行ける時にお見舞い行ってもいい?」
「え、えっと...」
色んな人に色んなこと言われてもわかんないよ...
聖徳太子、だっけ?10人の声を聞き分ける人。その人なら分かるかもしれないけど...
「美來、パニックなってるから」
「星惟...」
また星惟が助け舟を出してくれた。
「光野、独占欲強っ」
「うるせ...」
「す、すみません...」
あれ、星惟、なんだか怖い?顔も真っ赤だし...
怒る要素あった?
「星惟、怒ってるの...?なんで...?」
不安になって星惟を見上げると、他の子達は笑いをこらえているように見える。
星惟は怒ってみんなは笑って、どうなってるの?
「美來ちゃん、光野は照れてるんだよw」
「照れてる...」
「あとは、嫉妬か?なぁ光野w」
「しっと...?」
何それ、湿布の間違いじゃなくて?湿布でかぶれたら赤くなったりするけど...
「美來、とりあえず僕は怒ってないから」
「よ、よかった?」
今度は、クラス中が爆笑の渦に包まれた。
「美來ちゃん、お母さん来てるよ」
「あ!愛菜ちゃん!あのね、あのね!」
愛菜ちゃんの元へ走り、早く色んなことを言いたくて、4歳の私は"あのね"しか出てこない。
「ふふっ。後で聞いてあげるから、車行こっか」
「うん!星惟、ばいばーい!」
「ば、ばいばい...」
??
また星惟の様子がおかしい気がした。
