死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


ギュッ

「せ、星惟...」

 星惟が約束を破ってくれてまでギューってしてくれた。星惟、本当に優しい。

「これで収まる?パニック」
「うん...おちゃまる」

 こんなことを言われて、収まらないわけが無い。
 誰よりも落ち着く、星惟の腕の中。

「ゎー!」「ぎゃーー!!」「きゃー!!!」

 またクラスが大絶叫だったけれど、そんなことを気にしてる暇は無かった。

「美來ちゃんすごい可愛い!」
「ヒュー!」
「月音さん、小さいからすっぽりじゃん」
「もう、私達何見せられてんの...尊すぎる...」

 これがきっかけでこの後星惟は学校中の話題になったらしいけど、それを私が知るのはもっと先の話。