死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


「すごい!すごーい!」

 メイドの服を着て、お菓子を持ってきた深澤さんと南雲(なぐも)さんがとても可愛い。アイドルみたい。

 パフェも本格的で、文化祭ってこんなに豪華なんだと、"すごい"を連呼せざるを得ない。

 これを来週の文化祭でやるんだ...
 いいな。楽しそう。私も行きたかった。星惟は接客側では無いにしろ、星惟と楽しみたかった。

「こちら、当店自慢のトゥンカロンでございます」
「とぅんかろん?」

 何それ、初めて聞いた。

「マカロンをアレンジしたやつ」
「まかろん?」

 なんだっけ。聞いたことあるようなないような...

「さあ、愛情トゥンカロン召し上がれ♡」
「ごゆっくり〜」

 深澤さんのアイドル台詞がすごい。
 テレビで見るアイドルそのものだった。深澤さんは将来はアイドルになったりするのかな?


「美來、食べれる?」
「うん。食べれる」

 私は1つのトゥンカロンを取る。すごい...リボンとかハートとか付いてる...可愛い...

「いただきます」

 パクッと思いっきり入れようとすれば思ったより量が多くて大変なことになった。

 手もベッタベタ。口周りも多分すごいことに...

「ふっ。美來何やってんだよ」
「あ゛っ゛で...」
「分かったから今は喋るな。ほら」

 おしぼりで私の口元を拭いたり、手ですくってくれる星惟。