死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


 学校は、私にはしんどいことも多かった。
 でも、最後に行けて、良かった気がする。

 あと1時間。
 最後の授業は、ホームルームだった。

「文化祭の準備の続きをします」

 児玉先生がそう言った途端にクラス中が騒ぎ立つ。
 そっか、文化祭近いって星惟、言ってたなぁ。このクラスはメイドカフェ?っていうのするんだよね。

「月音さんは、お客さん役ね」
「お客さん...?」

 え、もう準備終わってるの...?何もお手伝い出来ないってこと...?

「客観的に今の出来を見てほしいの!本番前にそんなこと頼めるの月音さんだけだから!」

 私、だけ...
 そんな言葉が凄く嬉しい。

「光野も今日は」
「ああ」

 星惟は面倒そうに返事をしていた。
 クールな星惟も、好き。多分、この星惟は学校でしか見れないよね。


「いらっしゃいませ〜!」

 文化祭を、私は一足先に楽しんだ。