死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


「月音さん、ちょっと前来れる?」
「え、あ、はい...」

 転校生でもないのに、私は担任の先生に説明をされた。

「今日だけしか、来れないけど...仲良くしてあげてくださいね」

 私、転校生になった気分。
 初めての景色だし、もちろんそれはあながち間違いでは無いけど、だけど...

 複雑。

 私が小さくなったせいで、みんなと目線を合わせるのも大変だし、上手く喋れない。

「星惟...みらい、ちゃんと出来てる?」
「できてるよ。心配するなって」
「でも...」

 また泣きそうになって、どうしたらいいかわからない。色んな人が話しかけてくれるけど、上手く返せないから楽しくない。

「光野、月音さん、次移動だよ」
「あっ」
「忘れてた...ありがとう...」

 小鳥遊くんに言われて私達は化学室へ行く。
 高校は理科がいっぱいあるのは知っていたけれど、教室までいっぱいあるとは知らなかった。