死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


 最後の、退院。

 担当のお医者さんはそう言った。
 私が死ぬから、だよね。

「美來ちゃん、学校行ってみない?」
「学、校...」

 今さら行ったって、私は子供化してるからみんなの輪に溶け込めないのに。

「学校での光野くん見たくないの?」
「...見たい」

 こんなことを言われては断れない。

 退院は2日間。それも、発作が出れば即終了。
 1人で出かけることは出来ないし、思ったような退院にはならないと言われた。

 学校は今夏休みだから、それが終わってかららしい。

「光野くんとデート、私ならしてほしいけどなぁ」
「みらい、そのために退院するの!!」
「わかったわかった。無理はないようにね」
「うん...」

 早速、メールで、星惟に退院できると伝えた。