死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


 何秒経ったんだろう。
 星惟は、ずっとくっついたまま離してくれない。星惟...さすがに苦しいよ...

「せ...い...」

 なんだか私、身長も縮んだみたい。
 今までよりも、背の高い星惟の胸にすっぽり収まってしまう。どれだけ私は小さくなるんだろう。

 星惟の鼓動と吐息がはっきり聞こえる。

 私も星惟も、生きてるんだって安心する。

「美來、目覚めてくれて良かった...」
「ごめんね、星惟...」

 星惟はどこまでも優しくてかっこいい。
 願わくば、ずっと生きていければいいのに。

 若返るんだったら、死ぬ必要ないじゃん。なんで若返るのに死んじゃうの...?

「みらい...死にたくないよ...」
「僕も、死なせたくない」
「星惟、星惟、死にたくない...」

 泪が止まらない。
 止めようと思っても、どんどん出てくる。目から出る雨は、止むことを知らない。

「僕が医者なら...」

 泣き疲れて、私は星惟の胸元で眠ってしまった。