死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


「愛菜ちゃん、カフェ行こ!」
「いいよ」

 体調が完全に復活した私は最近、よく愛菜ちゃんを誘ってこうやって出かけたりする。

 星惟と会えない寂しさを、愛菜ちゃんで誤魔化していると言っても過言では無い。

「ほんとに!」
「ははははー!」
「でね、それでね...っえ...?」

 愛菜ちゃんと喋って歩いていると、目の前に...

「せ、星惟...?」

 なんで...
 星惟が病院着で、歩いている...

「愛菜ちゃん...あれって...」

 病院にいるのは、別に何も思わない。
 でも...

「あー...光野くん、白血病の話はしてた?」
「う、うん...」
「再発してないかの検査よ。美來ちゃんには心配かけたくないから黙っててほしいって」

 なんで...
 私、頼りない...?お医者さんになりたいのは嘘だったの...?

「な、なんで...星惟のところに行かせて!」
「美來ちゃん!」

 愛菜ちゃんが私の袖を引っ張る。

「なんで...」
「光野くんが隠しがってることなら、触れない方がいいよ。美來ちゃんだって、知られたくないことはあるでしょう?」

 そうだけど...

 でも...

「今日は戻る?」
「うん...」

 私にはわかる。
 あれは、あの顔は、ただ検査をしに来た顔じゃないってことくらい。

 何年も病気で、ずっと病院にいたらそりゃわかる。
 星惟は、やっぱ...