死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


「もしもし...」

 星那ちゃんに電話をかけると明らかに元気がない。

「星那ちゃん...どうしたの...?」
「あのね...」

 深刻な声と、あの星那ちゃんに元気がないこと。
 なんで...


「星惟、しばらく美來ちゃんに会えないんだ」


 えっ...?

 私の熱が、下がってもということ...?
 なんで...


「星惟の夢、知ってる...?」
「夢...?」

 星惟の夢なんて、私は聞いたことがない。

「美來ちゃんを治すことだよ」
「え...?」
「正確には美來ちゃんのような子、も含まれると思うんだけど、星惟の夢はお医者さん」
「星惟、が...」

 だから、私にはしばらく会えない...?
 受験勉強が忙しいということ?

「私からも、美來ちゃんに電話は毎日してあげてって言ってるんだ。でも、電話すらできない日があるかもしれないって...」

 頭が、真っ白になった。

「そんな...」

 星惟の夢を、素直に応援してあげるべきなのに、なんで私はいつも自分ばっかり...

「ごめん、こんな時に」
「ううん。星那ちゃんは悪くないよ」

 星惟の夢、応援しなきゃ。
 私は、何も支えにはなれないんだから、それくらいさせてほしい。