死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。

❤︎𓂃 𓈒𓏸◌‬

 また数日経って、熱が出た。

 熱の出る頻度が上がり、検査結果は何かの誤りではなかったのだと、悲しくも察してしまう。

 こうなった時は家族以外来て貰えないから星惟にも会えない。

《会いたい》

 毎日こうやって送っては、寂しくて泪が出る。

 でも、星惟も忙しいみたいで、メッセージの返信は最近、遅い。世間的には受験生だし、仕方ないけど。

 受験、か...

 高校受験はなんとか、したけど。
 大学受験は私にとってはもう意味無いもんね。だって私は死ぬんだから。

《星惟...会いたいよ...》

 迷惑かもしれないってわかっていても、かまってほしくて、送ってしまう。

 なんで今だったんだろう。
 なんで、余命を告げられてから星惟と出会ってしまったんだろう。


ピロン


 星惟...?

 そう期待したのに、メッセージの相手は藤本さんだつた。あの後、星那ちゃん経由で私の連絡先を知ったらしい。

 星那ちゃんと仲良しの子なら、いい子。

 そう思って、藤本さんとは時々話すようになった。
 大体、私が藤本さんの話を聞いているだけだけど。


 それよりも、星惟と話したいのに。


《美來ちゃん、ちょっと、電話出来る?》
《え、うん...》

 突然来た星那ちゃんからの連絡に嫌な予感がした。