死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


 こうやってまた、現実的なことも考えなきゃいけないんだな。

 僕達は、これからずっと一緒にいられない。

 それが分かっていながら僕は美來を好きになった。

 きっと、覚悟は美來の方が出来ていたはず。
 だからこそ、美來は...

「星惟...」

 泪を溜める美來の顔を見てられなかった。
 少なくとも僕の前では笑っていてほしい。

 泣くなよ、とかかっこいいこと言えたらいいのに。

「ごめんね...私、私...」
「美來...」

 背中をさすることしか出来なかった。

 まだ夏休みにもなってないそんな日。
 梅雨前線が、西の空からやって来ていた。