死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


「なんだか、凄かったね」
「あれが通常運転。僕からしたら迷惑極まりない」
「嫌そうだったもんね、星惟」
「うん」

 お互いに茶々と初を抱えながら話す。

「そろそろ、他のところ行くか?」
「そうだね」

 茶々と初、田中さんに挨拶をして中庭を出る。
 久しぶりに2匹に会えて嬉しかったな。

「星惟の学校の話、久しぶりに聞きたい」
「えー。まじか」
「ダメ?」

 背の高い星惟とちゃんと目を合わせようと頑張って上を向く。私は、星惟の話を聞きたいだけ。

「そんな可愛い顔されたら仕方ないな」
「か、可愛かった...?」
「無自覚なのほんと...」

 私はどうやら、星惟に可愛いって思われることを自然とできるらしいです。