死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


「あ!茶々ー!初ー!」

 私も2ヶ月ぶりくらいにここへ来た。
 茶々と初は、私のことを覚えてくれていて、すぐに駆け寄って来てくれる。

「あら、美來ちゃん久しぶりね〜」
「田中さん!お久しぶりです!」

 私がはしゃいでいるのと違って...星惟...?

「あれ、星惟、わんちゃん苦手だった...?」
「い、いやそういう訳じゃ...」
「早くおいでよ。茶々と初、待ってるよ」

 あれはどう見ても星惟、わんちゃんが苦手だ。

「あらあら、彼氏くん怖がってるね」
「ですね」

「大丈夫だよ。特別な訓練受けてるいい子だもん」
「う、うん...」

 星惟は遠慮がちではありながら、茶々の顎を触っていた。茶々、嬉しそう。

「星惟、ほら、大丈夫でしょ?」
「う、うん」
「初も星惟のこと待ってるよ〜」

 引き腰な星惟に少しだけ笑いながら、2人で茶々と初の触れ合いを楽しんでいたんだけど...

「あれ、光野?あと、あなたは...」
藤本(ふじもと)...」
「星惟の知り合い?」
「クラスメイト。美來のことも知ってるはず」

 少しだけ、私からしたら派手に見える女の子。星那ちゃんとはまるでタイプが違う。

 星惟は明らかに嫌そうな顔をしている。