「先生、美來ちゃん連れてきました」
「ありがとう。美來ちゃん、ここ座って」
「...」
私、何言われるの?
余命宣告されてる上でまだ何かあるの?
どうせ、退院は出来ないんでしょ?数値がおかしいから。
「美來ちゃん、体調はどう?」
「...元気です」
「そっ、か。なら良かった」
ほら、深刻な顔してるじゃん。先生。
「美來ちゃん、アメリカの治療に興味は無い?」
「アメリカの、治療...?」
先生の話が理解できなくて、軽いパニック状態になる。
私の病気、治らないんじゃなかったの?
どういう...こと...?
「アメリカでつい先日動物実験が終わった治療法なんだけどね、人間での治験に美來ちゃんの病気は当てはまるかもしれないんだ。病気が治るかはわからないけど、延命治療はできるかもしれない」
延命治療...
私自身、どんな病気か未だによく分かってないのに延命治療とか言われても...
延命治療ってことは、どうせ余命はあるんだよね。
...どうせ、死ぬんだよね。
「あくまで可能性の話ではある。だから確証はないけど、治療したいと思うならアメリカで治療してみる手はある。これからお母さんお父さんにも説明するから考えてみて」
「...はい」
そりゃ、治るならアメリカ行きたいよ。でも...
