死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


 キスだけで、付き合ってることになるの?

 少女漫画にはそんなシーン、なかった。10冊以上読んできたけれど、全部「告白」があった。

「あらあら、星惟、やっと来た」
「ごめん。担任に雑用押し付けられた」
「あんた本当にそういうのやらされるよね」
「仕方ないだろ」

 そんなことを考えていたら星惟くんが病室へ来る。
 2人になったら、聞いてみようかな。

「ふふっ。星惟くんも星那ちゃんも、来てくれるだけで嬉しいよ」

「もう、美來ちゃん可愛すぎ!」
「え!?」

 本当のこと、言っただけなのに。

「星那、美來が困ってるから」
「はいはい。お邪魔虫は退散しますよ」
「え、え、え?」
「じゃあ、後はお2人様を楽しんでねー」

 星那ちゃんは、すぐに出ていってしまう。

「私、駄目なこと言った...?」
「大丈夫だろ。星那はいつもあんな感じ」
「そ、そうなんだ...」

 モヤモヤするけど、でも、2人になった。
 聞かないと。あのこと。


「「あのさ」」


 あっ...

「あ、ごめんね...」
「こっちこそ。先、どうぞ」
「うん...」

 緊張、する。
 今私は顔がりんごになっているんだろう。頬が火照っているのが自分でもわかる。

「私達って、つ、、付き...」

「待って」

 えっ、星惟くん...?

「それは、僕から。言う約束」