死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


 私なりに、調べた。
 星惟くんと幸せな想い出作りたくて。

 いつもは行かない、病院内の図書館に行って少女漫画借りて、まだ途中だけど、星惟くんやりたいことだって見つけた。

 やりたいことリストも、それに準じている。

「なのに、本当にひどいよ」
「うん」
「こんな話聞いててもつまらないだけだと思うけど、ごめんね。それで、私、全部嫌になっちゃって。なんか、無意識にあそこ立ってたし無意識に死のうとした」
「それだけ、辛かったんだな」

 辛い、か...

「辛い、のかな。もう、何が何だかわかんないよ。今まで、退院できなくてもなんとも思ってなかったのに」
「うん」
「星惟くんに出会ってからだよ。こんな気持ち」

 今まで、外に出たいなんて言うのは無駄だって思ってた。10歳くらいからは本当に、何も言わなかった。

 私を変えてくれたのは、紛れもない星惟くんだ。

「せっかく電話したのに、暗い話なっちゃった」
「そうだな」
「ごめんね、いつも」
「いいよ。そろそろ時間だよな?」
「うん。また明日いっぱいお喋りしよ」
「ああ。じゃあな、おやすみ、美來」
「おやすみ」