死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


 星那ちゃんも病室を出て、私1人になる。

 まだ唇には熱が残っていて、また心臓のドキドキが来る。あれは、私にとって...

《星惟くん、夜、電話出来る...?》

 1人が嫌だ。
 星惟くんと一緒にいたい。

 私、こんなにわがままだっけ。

 自殺しかけて、何考えてるんだろうね。私。あのキスから、私...

 ねぇ、星惟くんにとって私は何?
 キス=好きな人とするものって、愛菜ちゃんには教えてもらったんだけど、それで合ってるの...?

 星惟くんの1番になりたいよ。
 でも、それは、私にとっても星惟くんにとっても、『さようなら』が付き物なの。

 だから、だから。

 中途半端には、できないよ。

《いいよ。何時?》

 やった。
 私の不安、言った方がいいのかな。でも、私がそんなこと言ったら、優しい星惟くんは全部深刻に受け止めちゃうかな。

 愛菜ちゃんに、これに関しては相談なんかできないし。

《7時半くらいかな...》

 でも、星惟くんとお喋りしたいから。
 それだけで理由としてはいいよね?