死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。



 ずっとこの体勢のまま無言の時間が続く。
 これ以上は何もいらなかった。

 星那も僕の様子を察してか、1人でカフェ的な場所で待ってくれている。

「星惟くん...どこにも行かないで...」

 美來が、そんな可愛いことを言う。

 僕は今、理性を保とうと必死なのに。全部、美來のせいだ。独り占めしたくなる。

 いつの間にか僕のすべては美來だった、から。


「大丈夫、僕は、美來のそばにいるから」


 もう、耐えられなかった。
 きっと、これは美來にとって初めてだっただろう。

 美來のピンク色の唇に、僕は触れた。